ケリングが語る「リサイクルやアップサイクルをすればいいというものではない」

更新日:5月26日


世界でもっともサステナブルなアパレル企業として認定されてから経年するケリング。 2025年までにグループ全体の環境への影響を40%削減するという目標を設定し、そのロードマップとして3本の柱「ケア(配慮)」「コラボレート(協業)」「クリエイト(創造)」を掲げ、責任あるラグジュアリーを追求していますが、ブランドによる生物多様性のための戦略として4つのステージを設定しています。 「回避する」

最初のステージである「回避する」では、生態学的に保護価値が高い地域から生物を採取・捕獲しないことを意味します。たとえばビスコースなど木材パルプを原料とする素材は、希少価値の高い古代林や危機的な状況にある森林からではなく、FSC認証を得たサプライチェーンから調達するといった取り組みを行っています。こうした取り組みを進めるためにも、2025年までに100%のトレーサビリティを実現することを目標としています。


「削減する」

次に「削減する」というステージでは、「回避」できずに生物多様性に悪影響をおよぼしてしまう場合、影響の出る期間の短縮や影響の緩和をはかることを意味しています。そのため、ケリングが主に使用する17の素材の調達・製造プロセスについてまとめた「ケリング・スタンダード」を策定し、各ブランドやサプライヤーに配布。基準の中にはオーガニックコットンの優先調達やリサイクル素材の使用の推進などが含まれています。2025年までにスタンダードの100%遵守を目指しており、2020年時点で達成率は74%となっています。


「修復・再生する」

三つ目のステージ、「修復・再生する」では、破壊や劣化といった悪影響を受けた環境を専門家と連携しながら再生する取り組みを行っています。たとえば、砂金の採取地である仏領ギアナ地域やアマゾンにある高山の森林再生などに取り組んでいます。また、2025年までに店舗や倉庫、事業所などを含めたケリングの直接的なフットプリントの合計3倍以上の面積を修復することを目標としています。


「転換する」

最後、四つ目のステージ「転換する」では、グループ内の取り組みに止まらず、ファッション・アパレル業界全体の変革へとつながるよう、業界全体への働きかけを行っています。たとえば、ケリングの会長兼CEOであるフランソワ=アンリ・ピノー氏は2019年、気候変動、生物多様性、海洋保護の3分野において、ファッション・テキスタイル企業が共通の目標を掲げて取り組む「ファッション協定」をリード。現在、業界シェアの約三分の一を占める70社もの企業が参加するグローバルイニシアチブとなっています。

また、温室効果ガスの排出量や水使用量、土地利用、廃棄物量​など、バリューチェーン全体の環境負荷を可視化、貨幣価値に換算する環境損益計算(EP&L)​​など課題解決のために役立つツールを開発。オープンソースとして公開し、業界全体の転換を推進しています。


2021年11月には、ケリング表参道ビルワークショップも含めた展示会を開催。4つのステージを生産過程や過去のコレクションとともに表明するとともに、CSOのマリー・クレール・ダヴー氏が語る「リサイクルやアップサイクルに留まらない、自然との共生」は、これからのサステナブルの根幹を示す指標となるものでした。

閲覧数:18回0件のコメント

最新記事

すべて表示