適切な栄養を摂取したり、各地域の伝統的な食文化を学んだりするために導入されている、学校給食。そんな学校給食を通じて、サステナブルな食習慣が可能になるのでは? 。
フランス、パリ市は保育所、学校、老人ホームなどで、1,200もの食事処を運営しており、年間3千万食を提供しおり、そのうち、学校で提供される食事が70%を占めるとのこと。
その中、同市は2022年5月、学校の食堂で提供する食事を100%サステナブルもしくはオーガニックする計画を発表しました。
2027年までに目標を達成することを目指し、同時に、75%をオーガニック食材にすること、50%を市から250キロメートル以内で生産された食材にすること、100%を季節の食材を取り入れた食事にすることも目指しています。
「2027年までに100%サステナブル」と聞くと、実現は難しいように感じるかもしれませんが、実は同市は2009年から、サステナブルな食事に切り替える取り組みを進めているのです。そして、2008年にはサステナブルな食事の割合が8%だったのが、2019年には53%にまで増加。長期的な取り組みにより、着実な成果を生んでいます。
気候変動対策と生物多様性保全のために、他にもさまざまな取り組みを行う。たとえば、週2回はすべての生徒にベジタリアン食を提供し、他の日もベジタリアンの人向けのオプションを用意。食堂で提供する食事の40%は、ベジタリアン食にするといいます。
肉、乳製品、卵は、動物福祉に配慮した飼養を行う生産者から購入する。魚は責任ある漁業で獲られたものを使い、バナナとチョコレートはフェアトレードによるものを使用。また、食品廃棄物を100%再生利用し、有機性廃棄物の焼却をなくすことを目指すことも。
健康に配慮したメニューの開発にも取り組みます。食事に含まれる糖分と塩分を減らし、健康に害を及ぼす添加物を使わないようにし、食品に接触する部分にプラスチックを使うことをやめます。
次代を担う子どもたちに環境意識を育んでもらう取り組みのひとつとして注視したいものです。
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