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2030年、古着市場がファストファッション市場の2倍に

セカンドハンドファッション(中古衣料)のECサイトを運営する米スレッドアップ(Thredup)によると、衣料品のリセール(再販)市場は今後10年、従来からある小売市場をはるかに上回る速さで成長し、2030年にはファストファッション市場の2倍の規模になると予想されるという。


ファッション産業は確実に、よりサステナブルなものになりつつあると言っていいかもしれない。

スレッドアップが市場調査会社グローバルデータ(GlobalData)の協力を得てアメリカで実施した調査の結果、リセール市場は従来型のファッション小売市場のおよそ11倍のスピードで成長していることがわかった。

リセール市場は2030年までに、840億ドル(約9兆3100億円)規模の市場に拡大する見通し。同じ年に予想されるファストファッション市場規模は、およそ400億ドル(約4兆4300億円)とされている。

データに示されているのは、より簡単に利用することができ、リセール品の売却と購入の両面において消費者にアピールすることに成功したECサイトの増加によって、消費者個人による衣料品の売買が急増していること。

報告書によると、所有している衣料品をECサイトで売却したことがなく、「試してみたい」と考えているアメリカ国内の消費者は、約1億1800万人と推測される。2020年に衣料品を初めてオンラインで売却した人は、約3620万人。

スレッドアップのコミュニケーション担当のバイスプレジデント(副社長)、カレン・クラーク氏は『WWD』誌に対し、「セカンドハンドファッションには、ファッション(業界)を変える力があるということです」と述べている。


また、クラーク氏によると、ミレニアル世代とZ世代はよりサステナブルな消費をする世代であるものの、調査では「新品のサステナブルな衣料品を購入している」と答えた消費者が減少していたという。

これについてクラーク氏は、「理由は価格にある」と指摘する一方、(企業などが環境に配慮しているように見せかける)「グリーンウォッシング」や、どのブランドが「サステナブル」であるかについての混乱も、要因になっていると説明する。

また、消費者はサステナブルなものとして販売されている衣料品よりも、リセールで購入する衣料品の方が、よりインクルーシブで透明性が高いと考えているという。

報告書は、サステナブルな小売業のためには今後、より多くの若い世代の消費者を取り込むために取り組むべきことが多く残されていると指摘する一方、セカンドハンドファッション市場が大幅な成長を見込まれることから、ファッション産業はより良い方向に進んでいくとの見方を示している。

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